天に唾する(by四十二章経)

この言葉は誰もが一度は聞いたことが あると思います。

念のためですが、 これは中国の四十二章経に記されているもので、 天に向かって唾を吐いても、空を汚すことなど出来ず、 吐いた唾が自分の顔にふりかかってくることから、人に害を与えようとして、かえって自分がひどいめに合うことのたとえです。

中国の算命学での帰り矢現象で、違う切り口で説明しています。

「天に唾を吐く」は人に害を与えると、 自分に降りかかることを意味していますが、 この帰り矢現象は人に害を与えるということではなくて、一生懸命に何かをすると、自分に何かが返ってくることを意味しています。

エネルギーのガスをあらかじめ抜いておくことがいいのです。

因果応報・自業自得

天に向かって唾を吐いても空を汚すことなど出来ず、吐いた唾が自分の顔にふりかかってくることから。
『四十二章経』に「悪人の賢者を害するは、猶し天を仰いで而も唾せんに、唾、天を汚さずして、還って己が身を汚し、風に逆らって人に塵くに、塵、彼を汚さずして、かえって身に塵するがごとし」とあるのに基づく。

因果応報とは、原因に応じた結果が報いる・・ということ

自業自得とは、自分の行い(業)の結果を自分が受けなければならない・・自得ということです。

米国大統領選

トランプ氏の選挙中の言動は正に天に向かって唾をする行為ではないかと私は思います。
証拠も示さず反対陣営に対し「不正選挙」と決めつけ、分断に輪をかける行為は現職大統領には、あってはならない言動です。唯我独尊・過剰な自己主張。

この言動は選挙前からの発言とつながるものです。

● 米国第一主義
● 「WHO=世界保健機関」からの脱退
● 地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」からの離脱。
● 「イラン核合意」からも離脱
● 不法移民対策として壁の建設を推進
● 在日米軍駐留経費負担を現行の約4倍約8800億円に増額意向
● LGBTの権利拡大に消極的

この中で一番悪質と思われる発言は「新型コロナウイルス」に関するものです。ウイルスを恐れるなと云うこと、マスクなんか必要ないと云うなど、自身が感染した後でも言い続けています。トランプ支持者はこの影響を受け経済と暮らしを守ってくれる大統領は素晴らしいと云う錯覚を持ってしまっています。

米ジョンズ・ホプキンス大の集計で日本時間9日未明、世界全体の新型コロナウイルス感染者数が5000万人を突破した。このうち約20%に相当する993.8万人が米国に集中する。米国では連日10万人ペースで新規感染者が確認されている。結果として都市部中心に全米で23.7万人の死者が発生し世界で一番高い率となってしまいました。しかも洲の対策はあるものの、国としての効果的な感染対策は殆ど行われていません。

危機を救う政策を掲げるバイデン氏を攻撃し不正選挙と煽り、州ごとの赤い州と青い州を見ると、赤い州(トランプ優勢)は比較的コロナ感染が低い州で、青い州は市街地の多く感染の被害が多いか、危機意識の高い多い州となっているのです。

日本時間で11月8日バイデン氏は勝利宣言をしました。選挙人の獲得数が過半数超えの279人に達し、得票数が過去最多7400万票で勝利したからです。そして政権移行チームをたち上げ、最優先で着手したのは新型コロナウイルス対策チームの編成でした。世界の各国から見ても、米国で最も必要な政策は感染対策でしょう。

早速カナダ、ヨーロッパ各国、日本の首脳からも祝電が送られました。トランプ氏はこの期に及んでも敗北を認めず、選挙無効の法廷闘争を拡大すると宣言しております。年を越すかもしれませんがバイデン大統領就任の気運は、動かないでしょう。トランプの側近が徐々に離れていきます。因果応報・自業自得と云う結果が待っております。

柔軟性に欠ける傾向は、保守だけでなくリベラルにも存在する

名前は伏せておくが、日本の識者にも米国の大統領選挙をめぐって,今に至っても「トランプの主張は正しい」「バイデンの不正選挙はトランプの主張通り存在する」と発言しています。このような識者は日ごろからリベラルな発言をしていた人々だ。私の知る範囲では4~5名います。

理由は2つに分かれます。一つは従来から「米大統領選はトランプが勝利する」と予測していた手前、それを翻すことができない人たちだ、もう一つは「米国の民主党は戦争屋と結びついている・トランプは戦争屋とたたかっている」とする人たちだ。事情の変化に対応できないこの人たちは、正に柔軟性を欠く思考回路を持つ人々と云わざるを得ません。

ただし皮肉なことにも、菅首相がいち早くバイデン勝利に祝電を送った柔軟姿勢?を見ると、トランプ支持の識者を一概に非難する気にはなりません。

共産党が党名変更を絶対に認めない、政党助成金を断り続ける姿勢など柔軟性に欠ける好例と見ます。政党助成金を断るより政党機関紙を無料配布した方がマシだと思うのですが—。


 

                                                              感染急拡大のボリショイ劇場(末尾に記事)

今週のニュースはあまりにも変化が多くその情報を全部読み解いていたらとても時間が間に合わず頭が混乱するばかりだった。そこで進路を変更して別の視野から物事を見ようと試みた。

行き当ったのが「複雑系の経済学」だった。500ページ余りの本を暇つぶしのつもりで流し読みした。しかし私の理解力が貧弱なせいか、よくわからないことばかりで、部分的に参考になった点だけを傍線を引っ張った行為で終わった。

更に行き着いたのは例の古いメモ帳だった。そこには若い時に読んだ読書歴から断片的に気づきをメモした、つながりも思想性も何もないバラバラの、正に断片だった。

これを拾い読みしていたら、最初に述べた先週からの「激変する世界の情報」と「多様性の世界」と云うテーマとの結びつきのヒントが幾つか見つかった。メモの引用元が分かるものも、どこから引っ張ってきたのか分からないものも、種々雑多に混在していた。

元はと云えば、冒頭の「激変する世界の情報」なのだから、これについて注目点だけでも書き連ねておく。

10月30日の東京新聞の記事は見出しだけ拾っても激変する世界そのものだった。「コロナWatch一週間」には世界の感染者数・死者数や日本のGoToなどの状況などグラフ・図表で克明に記されていた。米国の感染者が28日までの累計で8,611,256人・死者数224,000人で、ヨーロッパの第2波猛威についても国別に詳細が記されていた。

フランスの都市封鎖、イギリス・ドイツ・イタリア・スペイン・オランダなどの夜間外出禁止や夜間営業禁止などの情報も深刻さを表していた。

日替わりの変化にはとてもついていけず、感染対策は混乱の極みだ。

米国大統領選でも混迷ぶりは同様だ。現地記者の報告でも、「バイデンが勝利するのは確実だ」と云ったかと思うと最後には「トランプのウルトラCが起こる可能性は十分あり、まだ予測は難しい」などと保険をかけるような発言をしていた。

一方、日本ではヨーロッパとは対照的に、GoToキャンペーンや入国制限の緩和などが平然と行われている。邪推かもしれないがオリンピック強行開催のための布石かも知れない。見えてくるのはIOCとJOCがお互いに中止の決断を擦り合っているようだ。莫大な損害が発生するのが見えているので双方で責任回避しあっているようにみえる。

多様性を認めない専制的政治を進めながら「多様性が大事」と発言する、ご都合主義も混乱をまねいている。混乱を多様性にすり替える風潮を許す社会は民主主義とはとても言えない。


次に例のメモ帳の断片と「複雑性の経済学」にでてくる「多様性」の解釈の関連を探ってみたい。

● 狐がライオンに「あなたは一回に一頭しか子供を産まない」と非難した。すると雌ライオンは「確かに一頭です。でも、それはライオンの子ですよ」 と答えた。数だけが値打ちではない、質の方が大切だという教訓でした(イソップ物語より)

● この小説は時代と政治権力の中で収容所生活を余儀なくされた囚人たちの日常を描き、人間において尊厳と卑屈、自由と束縛、信頼と裏切り、などが如何に共存しているかを語っている(スターリン批判)

● 私は職業を転々とした。それは私があらゆる事柄のくだらなさと無益さを、探照灯で照らし出すように人々に見せたかったからである(ヘンリーミラー)

● 事実と虚構が混然と一体となっている。感情は私自身のものだが、出来事は、必ずしも起こった通りには語られていない(モーム「人間の絆」)

● それはあらゆる時代を通じてもっともよい時代であるとともにもっとも悪い時代であり、賢い時代であるとともに愚かな時代でもあり、光明の季節であって、また、暗黒の時節であり、希望の春であって、また、絶望の冬でもあり、われわれの前にはあらゆるものがあるが、また、なに一つなく、---要するにその時代は今の時代と非常によく似ている。権威筋は何時でも最上級の表現を用い、決して譲らない(出所不明)

以上がメモの断片で今回のテーマに参考になりそうなものをピックアップした。

「複雑性の経済学」では分散化を助ける技術動向を取り上げ、テレワークの拡大はその仕事を組織の内部に取り込んでおく必要は少なくなり、通信の発達と情報処理装置の低廉化、小型化が独立した仕事の範囲を拡げ現在の自由業がそうであるように、個人が小規模事業者化していくと指摘している。

その一方で、規模の経済がはたらく分野では仕事の平準化などの理由から、重厚長大の時代は去ったと云われながら装置産業では巨大装置の優位さは残されていく。従って規模の多様化は依然として保たれると云っている。

1.異質な主体間の分散的相互作用

2.経済全体の管理者の不在

3.絡み合う交叉的ヒエラルキー

4.進化する主体による継続的適応と学習

5.不断の新規性

以上が「多様性の経済学」の原点として紹介されている。この分野自体が複雑で学問として発展過程にあり、異論も多数あるようだ。


最後にこの課題はまとめ難いのだが、まとめに適したコラムの紹介をもってこれに代えたい。(今回の課題に関連ある部分は太字とした)

「同調圧力」水島広子、精神科医・医学博士・正田家と姻戚関係・元衆議院議員2期、(以下は2020年10月31日東京新聞夕刊「紙つぶて」から引用)

最近、「同調圧力」という言葉を聞く機会が増えたように思う。同調圧力とは、多数派とは異なる意見を持つ少数者に対して、多数意見に迎合させようとするプレッシャーのようなものを意味する。本当はやりたくないのに、いじめられるのが嫌で、他の生徒と同じように悪事を働くはめになる、というようなケースは案外知られている。

昨今、同調圧力を強く感じるのは、例えばコロナ禍におけるマスクの使用である。屋外でマスクをしていなかったからと大人に怒られた小学生の例も聞いた。なぜ小学生を怒る必要があったのか、科学的根拠を述べられる人はいないと思う。

それ以外でも、同調圧力は、理屈でなく感情に基ずくもののように私は思っている。そしてその感情は「怖れ」のように思う。「みんなが一緒でないと怖い」のではないだろうか。

同調圧力は、もちろん、多様性の尊重を妨げる。私は2000年に衆議院議員になる前から選択的夫婦別姓を実現する活動をして、ずいぶんいろいろな人と議論したが、「なるほど」と思える反対意見に出会たことがない。最近は、議論の機会が設けられても反対派が逃げ出す現象も多い。

同調圧力をかけたり、同調圧力に負けたりしないようにするには、健康な自己肯定感が必要だと思っているし、少なくとも自分は同調圧力と無縁な人生を歩みたいと思っている。


追記:NHKWEB 国際ニュース

ロシアでは、先月以降、ことしの春を上回る勢いで新型コロナウイルスの感染が拡大し、今週に入って1日の感染者数が初めて1万7000人を超えたほか、27日から28日にかけては、1日の死者数がこれまでで最も多い346人に上りました。

感染拡大の中心となっている首都モスクワでは集団感染が相次ぎ、27日には、クラシックバレエの殿堂、ボリショイ劇場の代表が、劇場で働くダンサーや技師など124人が感染したことを明らかにしました。

また26日には、ボロジン下院議長が、下院で定数の2割以上にあたる91人の議員が感染し、1人が死亡したことをプーチン大統領に報告しました。