2021-09-28

 

  検査種類   抗原定性検査   抗原定量検査   PCR検査
  調べるもの ウイルスを特徴づけるたんぱく質   ウイルスを特徴づけるたんぱく質(抗原) ウイルスを特徴づける遺伝子配列
  精度 検出には、一定量以上のウイルス量が必要 抗原定性検査より少ない量のウイルスを検出できる 抗原定性検査より少ない量のウイルスを検出できる
  検査実施場所 検体採取場所で実施 検体を検査機関に搬送して実施 検体を検査機関に搬送して実施
  判定時間 約30分 約30分+検査機関への搬送時間 数時間+検査機関への搬送時間

2021-08-31

この本は欧米型新自由主義の成長戦略を「プランA」とし、この戦略は日本には合わないと主張している。

「プランA」を模倣した日本はあらゆる成長指標で既に敗北している。

本文276ページ中なんと約30の図表と数えきれないほどのデーターを用いこれを証明している。日本当局は隠しているデーターが多いが米国の調査機関には惜しげもなくデーターを提供しているので米国にいた方が手に取るように日本の本当の実情が分かるのだ。

このような皮肉な現象は、新型コロナウイルスに関する日本政府の隠蔽を明らかにする事に役立っている。データーサイエンスの専門家の立場からも日本国民が知らない重要な事実を詳細に説明出来ている。

「プランA」は勝ちを促進することに力点を置くあまり、負けを最小化することに関心が薄い。「プランA」は西欧先進国では成功しても、既に回復困難まで負け続けている日本にとっては正に悪夢でしかない。

筆者が提案する「プランB」は勝ちを促進するより負けを最小化する事を重視する戦略だと考えられる。このことは少数の勝ち組が支配する政治経済から多数の弱者を助けることによって消費経済を延ばし、医療・教育・文化・芸術など周辺経済を伸ばす戦略でもある。また、当然のことながら地方経済を重視し、都市集中を是正する戦略でもある。

「プランB」を理解するには日本の世界における地位、アジアにおける地位など正しいデーターに基づき再認識することから始まらなければならない。

惨憺たる負けが多い日本の現状を知るためごく一部だけそのデーターを紹介しておく。

1.先進諸国の国際競争力ランキング(P26図表)
1990年からほぼ一貫して、シンガポール、香港、台湾と云うアジア3か国に遅れをとり続けています。あらゆる経済指標において、日本が世界一位どころでなくアジア諸国間で一を確保していたのは20年以上も昔の話なのです。

2.企業レベルでの国際競争力(P27図表)
国レベルの国際競争力より更に深刻な企業レベルの国際競争力。企業の時価総額上位20位、1989年は14社が2019年には0社。上位100社はそれぞれ53社から2社に転落。

3.世界の大学ランキング(P41図表)
東京大学、74位
京都大学、124位
大阪大学、242位

4.逆走する男女平等ランキング(WEF2019年12月発表)
G7各国ドイツ10位、フランス15位、カナダ19位、英国21位、米国53位に対し、なんと日本は121位、中国、韓国より低い。
人口の半数を占める女性を構造的に排除し、エリート層から女性の参加を妨げていることは、エリート集団のサイズを小さくし国力を弱めていることになり、上記の想像を絶する国力低下の大きな要因となっていることに気づくべきです。


【目次】 見出しは抜粋

第1章 なぜ「プランA」は日本で失敗するリスクが高いか
グローバル企業の視界から消えつつある日本/「プランA関連の日本企業支援」を掲げながら、失敗が続く日本政府の政策

第2章 「プランB」とは何か?
プランAが「成功した」米国で、将来「生き残る」産業部門とは?  /日本のプランBが含むべき「需要がなくならない」産業部門・職種/日本のプランB関連産業の景気刺激と雇用創出の効果は大きい

第3章 「プランB」が地方経済を救う
実体経済を「回す」ために必要なのは、プランB関連の雇用の創出/「上がらない、回らない、漏れる」地方経済を助長してきた不適切な経済評価 /

第4章 日本再生のためのビッグ・ピクチャー
プランBの一例の潜在的経済規模は米国で100兆円、日本で14兆円/プランBが含む「新しい予防医療」分野で大規模な雇用創造/大都市の綱渡り生活者に薦める、プランBの一環としての地方移住/地方の「非」営利部門だけが可能な「所得倍増計画」

【著者プロフィール】
兪 炳匡(ゆう へいきょう)
医師、神奈川県立保健福祉大学イノベーション政策研究センター教授
1967年大阪府生まれ。93年北海道大学医学部卒業。93年~95年国立大阪病院で臨床研修。
97年ハーバード大学修士課程修了。(医療政策・管理学)。2002年ジョンズ・ホプキンス大学博士課程修了(PhD・医療経済学)。スタンフォード大学医療政策センター研究員、米国疾病・管理予防センター(CDC)エコノミスト、カリフォルニア大学デービス校准教授などを経て2020年より現職。著書に『日本再生のための「プランB」 医療経済学による所
得倍増計画』、『「改革」のための医療経済学』など。


日本のコロナ対策の根本的問題は、現状についての科学的医学的分析に基づく系統的で合理的な政策決定の姿勢自体がなく、世界や先進事例に学ぶ謙虚さに 欠けている点、医療を含めた社会全体に及ぶ影響を総合的にみる視野にかける点にあるのではないでしょうか。
ちょっと違った視点のコロナ対策を見る目を紹介します。

新型コロナに関しては下記デモクラシータイムスの動画を見ていただけば、「プランB」の感染対策の詳細が分かります。
ジャーナリスト山岡淳一郎が深堀するニッポンの崖っぷち。今回は、臨床医の経験と共に米国CDCやカリフォルニア州立大学デービス校などで5大学で25年間にわたって医療経済学・政策の研究をしてこられた、兪 炳匡さん( 神奈川県立保健福祉大学イノベーション政策研究センター教授)に世界標準のコロナ対策の基本となる1次~3次防衛ラインの考え方とともに現状を変えるプランBのコロナ対策をうかがいます。