米中の覇権争い

米中貿易戦争はいつまで続くのだろうと云う疑問は誰でも抱いている無視できない課題です。
世界経済に与える影響、外交政策への影響、大国の覇権に関する影響など測り知れない影響があるからです。今回はこれを政治的側面から離れて、知られざる側面から探ってみました。

先ずリチューム資源争奪戦ですが下記の F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。から詳細は学ぶことが出来ます。

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/11/post-a3f3e4.html

https://globe.asahi.com/article/12260549

要点だけ述べれば、リチュームは希少資源で現在はオーストラリア、チリ、ボリビアで産出していますが、これを巡って米中が激烈な争奪戦を演じています。リチュームを制する国がこれから急拡大を遂げるEV(電気自動車)の世界を支配することになるからです。それにも増して戦略潜水艦や核爆弾の助燃装置にも不可欠で次世代型戦略兵器の開発にも関連しているのです。上記の情報から擦すると中国のほうが先手を打って米国を凌いでいる姿が窺われます。

次に5Gの技術競争ですが、5Gの規格の差は圧倒的に中国が有利となっています。アメリカが採用した「mmWave」と中国の「sub-6」には大きな違いがあります。

「mmWave」は光に近い性質を持つ。「sub-6」よりも少し速度は速いものの、壁や建物があると電波はブロックされてしまい、遠くまでは飛ばない。そのため「mmWave」の5Gのネットワークでは、多くのアンテナを設置しなければならない。また「mmWave」のアンテナは5Gに独自な規格なので、既存の3Gや4Gのアンテナを流用することはできない。まったく新しいアンテナを設置する必要があるので、5G導入のコストが高くなる。特に米国防総省が潔く負けを認めた報告書に注目しました。詳細は次の引用文を参考にしてください。

現在のアメリカの国防産業がグローバリゼーションによる製造業空洞化の影響を受け、兵器の生産能力が大きく衰えている実態が明らかになった。

敗北を認めた? 今回の報告書の驚くべき内容
そして、2019年4月3日に発表された報告書、「5Gエコシステム:国防総省に対するリスクとチャンス」には、これら過去の報告書を上回る恐るべき内容が書かれていた。
それは、いま第4次産業革命の中核的なテクノロジーとして注目されている次世代の通信規格、5Gに関する内容だ。

周知のように、現行の4GやLTEの約10倍から20倍の速度で、大容量のデータを瞬時に送信可能な5Gは、自動運転車、遠隔治療、建設機械の自動運転、工場の自動化、ARとVR、そしてスマート・シティーなどの基盤となるテクノロジーである。また、軍事通信の飛躍的な高速化から、兵士がロボットを遠隔で操作する新しいタイプの戦闘も可能になるとされている。
この報告書の結論を先取りするなら、5Gのテクノロジーでは中国が世界を圧倒的にリードしており、アメリカは世界の潮流から取り残されてガラパゴス化するということだ。
これは米国防総省が潔く負けを認めた報告書だ。
高周波数帯の5Gの規格。24GHzから100GHzのミリ波の帯域を使用。光の性質に近い。アメリカの5Gがこの規格である。

3GHzから6GHzまでの低周波数帯を使用した規格。中国の5Gが採用した規格で、IT大手の「ファーウェイ」がこれを使う代表的な企業。

米国防総省の報告書によると、アメリカが採用した「mmWave」と中国の「sub-6」には大きな違いがある。

「mmWave」は光に近い性質を持つ。「sub-6」よりも少し速度は速いものの、壁や建物があると電波はブロックされてしまい、遠くまでは飛ばない。そのため「mmWave」の5Gのネットワークでは、多くのアンテナを設置しなければならない。また「mmWave」のアンテナは5Gに独自な規格なので、既存の3Gや4Gのアンテナを流用することはできない。まったく新しいアンテナを設置する必要があるので、5G導入のコストが高くなる。

一方、低周波数帯の「sub-6」は音に近い性質を持つ。そのため、壁や建物を貫通するので、電波は「mmWave」よりもはるかに遠い距離まで届く。その性質は既存の3Gや4Gに近い。そのため、既存のアンテナに5G用のパーツを組み込むだけでネットワークの設置ができてしまう。新たな規格のアンテナを新規に設置しなければならない「mmWave」と比べると、はるかに低いコストで5Gのネットワークが構築できる。

これを見ると、「sub-6」のほうがはるかに有利であることが分かる。
国防総省の報告書では、こうした結果から見て、「ファーウェイ」を中心とした中国の「sub-6」は世界市場を制覇することになるのは目に見えているという。

それというのも、コストが高く電波の届く範囲が狭い「mmWave」では、よほどの人口密集地で相当な契約者数が期待できる環境ではない限り、採算ラインに乗らないからだ。アメリカではそのような環境の大都市圏は比較的に少ない。
一方電波の届く範囲の広い「sub-6」では、ひとつのアンテナがカバーするエリアで獲得できる契約者数が多いので、容易に採算ラインに乗る。また既存の3Gと4Gのアンテナが使えることも、設置費用を引き下げることができる大きな利点になる。

報告書では、「mmWave」と「sub-6」のこのような違いは、5Gの部品メーカにも大きな違いをもたらすという。採算ラインに乗りにくい「mmWave」のネットワークでは、設置に意欲的なキャリアはどうしても少なくなる。その結果、「mmWave」用の部品も量産体制に乗りにくいので、コストを引き下げることが難しくなるのだ。
一方、既存のアンテナが使える「sub-6」ではこの逆のパターンだ。「sub-6」の低廉なネットワークの拡大が期待できるので、専用パーツの需要は大きい。そのため、早期に量産体制に入るので、パーツのコストもかなり安くなる。
すると、「sub-6」のネットワークの設置費用はさらに低下し、「sub-6」は一層拡大する。正の循環だ。

しかし、アメリカにはこの移行が実質的に不可能な事情がある。それは、すでに米軍が「sub-6」を高速通信のために独占的に使用しており、この帯域を民間に開放すると、相互の通信が干渉してしまい、軍事通信やデータの転送に支障が出てしまうからだという。
こうした干渉が起こらないように別の帯域を開発し、それに移行することも考えられるが、それには少なくとも10年はかかるという。

このような状況から、米国内では民間の5Gはどうしても「mmWave」でなければならない。
これを見ると分かるように、韓国も日本も「mmWave」と「sub-6」の二股をかけ、どちらにでも対応可能な状態を目指している。

EUや中国の「一帯一路」の国々、また中国の進出が加速しているアフリカなどは、中国の「sub-6」と「ファーウェイ」の設備や機器が制することになるだろう。

カバーするエリアが非常に狭い「mmWave」に固執するアメリカは、こうした世界の潮流から孤立し、ガラパゴス化することだろう。
国防総省の報告書は、この状況を国家の安全保障に対する大きな脅威であると見ている。
もし中国の「sub-6」が5Gのグローバルスタンダードになると、「sub-6」の通信機器の価格は低下する。そうした機器の製造では、「ファーウェイ」をはじめとした中国メーカが中核になることは間違いない。アメリカでは「mmWave」でガラパゴス化しているので、「sub-6」の機器の製造は拡大しない可能性が高い。

そしてこの報告書が指摘している重要な事実は、アメリカの軍事通信ネットワークが「sub-6」であるという点だ。「ファーウェイ」をはじめとした中国のメーカが「sub-6」の機器の製造で世界をリードする状況では、アメリカ軍はその高度な軍事通信ネットワークを維持するためには、中国のサプライチェーンに依存しなければならないことになる。
アメリカ軍の心臓ともいえる5Gの通信システムが、中国企業に依存し、握られるのだ。この報告書は、これを安全保障上の最大の脅威のひとつになるとしている。

この報告書は、これから第4次産業革命の中核になる5Gのテクノロジーでは、アメリカが中国にかなわないことを正直に認めた一種の敗北宣言でもある。
アメリカがどれほど中国に圧力をかけようとも、中国の発展と拡大は抑止できないとしている。

中国の経済とテクノロジーの拡大を国家の安全保障の危機として感じているアメリカが、引き下がることは絶対にないだろう。
もちろん、一時的な妥協はあるだろうが、中国のテクノロジーの発展と拡大が完全に止まり、経済が地盤沈下しない限り、アメリカの圧力は続く。

2019年11月22日MoneyVoiceより抜萃

嫌中感情が強い日本人には歓迎されない情報かもしれませんが、覇権の変動は外交ばかりでなく、我々の生活にも直結する問題なので実態を直視する必要があります。米国の次期大統領選挙にも関心を向け総合的に判断されることを望みます。

WeAre The99%

先ず、累計アクセス数40万件達成出来たことは皆様のおかげと感謝いたします。週一回の投稿ですが、見ていただいている読者数は6000~7000を常時維持しております。
私、年寄りの老化防止にもなっておりますので、アドセンスなどの広告掲載などせず続けていきたいと考えております。

今回は日常生活で不便を感じたり、こうしたら良いのにと思ったりしたことを書きつらねてみたいと思います。

1.製品の説明書の不親切さに不満。
PCに関連した小物をいろいろ買い込んだ経験があるのですが、説明書を読んでも理解できないことが度々です。中国製品が多くなっているので翻訳自体が拙劣なこともあります。
最近ワイヤレスイヤフォンを購入しました。買ってすぐにやることは誰でも先ず充電でしょう。充電の方法がなんと最後の方に小さく載っているのです。説明書の順序がおかしいのです。おまけにイヤフォンの充電とイヤフォンケースの充電があって、イヤフォンはケースから充電される仕様のなっていたのです。インジケーターは同じなので混乱するばかりです。この点について全く説明がないのです。
Amazonで購入した場合、評判を書くところがあるので、使用経験に基づき説明書の補足説明を書いて情報提供をしている始末です。私のように暇があるものでなければ出来ないお節介なのかもしれません。
今までで一番困ったのは温水洗浄便座の取り付けでした。これは国産でしたのでメーカーのサービスに電話して30分かけて質問しなんとか解決したのです。私の孫などは説明書など読まずどんどんやってしまうのです。試行錯誤を苦にしていないようです。年を取るとそうはいかないのです、全て納得した上でないと壊れてしまってはと云う心配が先にたってしまいます。これも老化防止のためと思い自ら納得しているところです。

2.キャッシュレスの落とし穴
キャッシュレスについては以前このサイトに書いたことがあります。その後、消費税が10%となり複雑な緩和策が政府によって実施されていますが、勘ぐれば、なるべく難しくして優遇措置を使わせないようにしているとしか思われません。
「なんとかPAY」の氾濫でどの店がどのPayを使っているのかわからないことがまずひとつ、いくつのPayを契約しそれぞれをスマホに登録しておけばよいのか気が遠くなるばかりです。その契約は特定のクレジット会社に紐付きになっている場合が多く、これまたいくつクレジットカードを持てばよいのか見当がつきません。クレジットカードの契約も手間と時間がかかることこの上なく、個人認証などわざわざ煩雑にして遮っているような感じです。
クーポンだとかポイントの優遇で釣っていますが、これまたうっかりするとせっかくPAYの手続きクレジットカードの手続きに延々と時間を取られた挙げ句、ちょっとした不備があると空振りに終わることが屡々です。こんなに苦労した挙げ句、政府は来年の6月までの期間限定と云うのだから、バカげています。
お年寄りは、クレジットカード、プリペイカード、デビットカード、〇〇PAYの区別もわからず、へたに手を出せばさんざんな目に会います。

3.中産階級の没落について
アメリカで中産階級がどんどん低所得化しているという記事を読みました。
収入格差の拡大が、ついにアメリカの人口動態を変えてしまった。ピュー研究所の報告書によると、40年にわたり人口の過半数を占め、アメリカ経済を牽引してきた中流階層が、人口の半分にまで減少してしまったというのです。こうした変化は、アメリカの経済と社会の力学に深刻な影響を与えることになるかもしれません。

それでは日本はどうかと思って調べてみました。すると日本の中間層の没落はもっとひどいのです。それは所得格差がアメリカより著しく大きいのです。中間層の衰退度を測る指標として実質中位所得がありますが、図表はその中位所得を日米比較したものです。米国の実質中位所得は2000年以来ほとんど伸びていません。それ以上に深刻なのは日本で伸びていないどころか実質所得が減少しているのです。
歴史を振り返ってみると、かつて軍事・経済・文化で隆盛を誇った国々の多くが、中間層の没落をきっかけとして衰退し、最後には滅んでいきました。
中間所得層の崩壊と低所得者の増加は、暴力、犯罪、不正といった様々な社会問題を引き起こすでしょう。

4.金価格の下落について
資産が少ない中産階級の私など金の保有する身分ではありません。しかし景気変動を予測し少しでも先行きの見通しをつけたいため、ほんの僅か金の預託を三菱マテリアルで始めたのは数年前です。最初の取得価格はグラム4,500円でした。一時は5,800円まで値上がりして喜んでいたのですが、11月に入ってかなり激しく下落し始めたのです。
なぜでしょうか?。答えは景気が落ち始めたからだと思います。大手銀行の経営不振、一流銀行が3,000人もの人員削減を始め、地方銀行は17社もが大赤字を抱え、ソフトバンクまでが投資の失敗で赤字に転落するなど—-。世界的にも金融恐慌の風が吹き始めたようです。借金の穴埋めのため金を売却する動きが世界的規模で捲きおこっているのでしょう。そのうちに株や債券も売り気配が強まってくるかもしれません。目先の利いた投資家は既に売り逃げています。オリンピック後は間違いなく大きな変動が来るとの予測が大勢です。リーマンショッククラスあるいは遥かに大きな金融恐慌が来るとも言われています。
これに備えてどうするべきかまだ処方箋は出ておりません。ただ一つ、こんな不安定な時期には情報を集めることが何よりも大切です。