第2の悪者

2020-12-11

はるか頭上を過ぎゆく雲は、今日も呟く。

「誰かにとって都合のよい嘘が世界を変えてしまうことさえある。
だからこそ、なんでもたしかめよう。

あの高くそびえる山は、本当に山なのか。
この川は、まちがった方向へ流れていないか。
皆が歩いていく道のはてには、何が待っているのか。」

雲の切れ間から、澄んだ光が地上を照らした。